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瓦屋根優秀賞 まちを見守る縁側のある家

せいさく
   
   
   

制作者
九州女子大学
屋富祖美月
荒川沙貴
小野朝美

計画予定地

木屋瀬宿とは、旧長崎街道沿いにある民家で、古い家並みが残されている。
市の重要歴史的街並み保存区域に指定されており、街道沿いの区域は、伝統
的な景観を維持する区域、その周辺は古い街並みに調和する規制がある区域
に分けられている。計画地は規制が一番厳しい区域である。
外観は居蔵造りで、屋根は妻入りの破風平入りの入母屋屋根で構成され、二
階の通りに面した外壁は虫籠窓が配置されている北部九州の町屋の特徴をよ
く表したものである。
船底(ドーム型)天井の部屋があり、中央が両端より高く、船底を逆さにし
たような形である。この部屋は、棹縁に切れ目がありきれいにカーブするこ
とができるようになっている。

住宅形態:町屋(木造伝統構法)
家族構成:両親(30代)、子ども(男子10歳、女子7歳)
構  造  材:ヒノキ、スギ、松、古材(古民家のリサイクル)
住宅総額:3,175万円
木材総額:   290万円

本住宅が森林整備にどのような影響をもたらすか
地元木材を使用することで地元の森林事業の活性化につながり、森林管理が行
割れることで森林破壊の防止につながる。また、木材を利用した住宅の増加は
二酸化炭素の貯蔵につながるため、低炭素社会への貢献になる。木材は再生可
能な材料であるため持続可能な社会環境へ貢献する。

見守り縁側提案位置
木屋瀬宿は筑前六宿と呼ばれた宿場町の一つで、赤間道と飯塚道へ向かう追分
の宿として栄えた。祭りになると街道は、しめ縄が張り巡らされ、祭りの場に
装いを変えて、多くの見物客が訪れて大いに賑わった。現在では、街道沿いの
区域は伝統的な景観を維持する区域に指定されている。
しかし、今は仕舞多屋になっている歴史的な建物は、景観として整ったが、閑
散として人通りも少なく住民の姿もあまり見かけない寂しい通りとなっている。
この提案では、街道の節として、日常のコミュ場と祭りの広場を組み合わせた、
「まちを見守る縁側のある家」を街道の数カ所に設けることで、日常の賑わい
を取り戻そうとする試みである。
そもそもこの地域の町屋の縁側は道路に面していて、近所の人たちが気軽に座
ったり、子供たちの遊び場になったりしていた。この住宅の道路側に縁側を置
き、近年失われている近隣とのコミュニケーションを取り戻すとともに、通学
中の児童を見守り、周辺の防犯対策の役割も果たす。また、街並み保存地区の
見学者との交流の場となる。

曲面を可能にする土塗壁(へつり技能)
筋違いのある在来軸組工法では、鏡面のある壁を作ることができないことより、
伝統構法を使い、地域特有のへつり技術(小舞壁)を活用した曲面のある壁を
提案した。

1PLANのポイント
道路に面した縁側は、縁側前の道路広場と一体になるよう、道路と同じ舗装材
を屋内床材と同じものを使用している。これにより内部の縁側への誘引効果を
図った。
この家は木屋瀬の伝統的な木造構法を取り入れた住宅である。
1階の土間は、土壁を使っているので、S字に曲げて変形させ、それによって生
じるスペースを活かし、町屋の欠点である採光と通風の確保の困難さを解消した。
和室には、船底天井を取り入れた。

2PLANのポイント
2階には吹き抜けを多くとり採光を確保した。廊下には机を置き、家族共同のワ
ークスペースを設けた。机の正面の壁は目の高さで開けており、1階のキッチン
スペースが覗けるようになっているので、作業をしていても家族との繋がりを感
じることができる。

 

 
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