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瓦屋根優秀賞 路地土間から滲み出る暮らし

制作者
工学院大学大学院
水下竜也
福富健司
山本駿

■コンセプト
この住宅は、多くの人がルームシェアする住宅である。
人と繋がるための路地と土間を再解釈し、その地域に根付いた現代のライフスタイルに沿った住宅を提案する。
この住宅は家族だけのものでなく人と人、地域と繋がっていく。生活空間はゆるやかに繋がり、坂道には腰掛ける人、そこから内部へ繋がる路地、土間。
この住宅からは、徐々に生活が滲み出て、少しずつ豊かな坂の家となっていく。
■住人構成
社会人28歳 2人
フリーター24歳
大学生19歳 2人
大学生21歳 3人
大学生23歳 1人
■敷地構成
建設予定地
広島県尾道市
建築面積 200㎡
延べ床面積 350㎡
敷地面積 293㎡
使用材料
構造 木造伝統構法
使用木材 構造材 檜@150×150
1.敷地概要:尾道市
敷地は広島県尾道市山手地区。
対象敷地は、北側の山と南側の海に挟まれ、平地が少なく山肌に住宅や寺が密集している。このため、道路も狭隘で傾斜するものが多く、「坂の街」と言われている。
2.空き家の現状と古材の利用
尾道では空洞化と高齢化が進み、空き家が年々増えている。
3.牡蠣殻を利用した「漆喰」の利用
広島県は牡蠣の養殖が日本一であるのと同様に牡蠣殻も大量に発生し、その処理が問題となっている。そこで、牡蠣殻を利用した「漆喰壁」を住宅に利用する。
4.寒さに強い「赤瓦」
この地域一帯には赤瓦を葺いた白壁の家を多く見ることができる。油土を使っているため瓦内部に水が染み込みにくく、冷害にも強い。盆地特有の気候や雪に耐えられるよう、この地方で生産された「油瓦」を使う。
5.断面構成「斜面」
傾斜地に立つ建物は一度平にされた敷地の上に建てられるため、道との繋がりを失っている。そこで斜面に沿うように住宅を設計する。普通の住宅では1階にLDKを配置するが、この住宅では個室(趣味室、仕事場)を1階に配置し道との接点を多くする。
7.平面構成「路地+土間」
各個人の部屋を土間で繋ぎ、敷地の特性を活かして路地を引き込んだ土間をつくる。そうすることで土間空間に個室同士の空間が生まれ、また生活が滲み出る。
8.環境に配慮した住宅
屋根がずれることで隙間が生まれ内部に光と風を行き渡らせる。夏は調湿と耐火性に優れた牡蠣漆喰壁が室内を涼しくしてくれ、冬は寒さに強い赤瓦が外気をふさぐ。一年を通して室内は適当な状態に保たれる。

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