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最優秀賞 Kama

作者紹介

制作者

立命館大学
福田 由惟
廣川 貴則
有山 睦美
田中 康太郎
花房 侑司
黒柳 伊沙子
武田 賢吾

コンセプト・PRポイント

Concept

佐賀ならではの住宅。佐賀には、有田焼、唐津焼をはじめ、数多くの伝統的な焼き物が存続して
いる。その一つ唐津焼は連房式登窯という窯が使用されている。その窯をイメージした住宅の提案を
する。伝統構法と伝統産業の融合によって、住む人にも地域の人にも伝統産業をさらに身近に感じ、
これから何十年も住まわれる住宅を通して伝統産業を継承していく。
家族構成
家族構成は、父・母・息子・祖父母の2世帯5人家族とする。
2世帯の問題点は、家族間での生活リズムが違いだ。それを考慮したプランニングを行う。
敷地条件
佐賀の住宅地。敷地西側は道路、南北両側には住宅が隣接する。

PR Point
・形態
部屋を連房式登窯の一室に見立てて、レベルを上げていく。しかし、バリアフリーを考え、祖父母
の動線である玄関からLDKまではフラットにした。登窯は斜面などの地形を利用して建てられる。
そこでその登っていくイメージを崩さないように、内部はフラットだが、各部屋の天井高を徐々に
高くしていき、外部から見ると傾斜地に建っているようにみせた。今回は佐賀の住宅地という設定
のため、濃い的に段差をつくる作業を行う。段差のない平らな敷地でも床下の軸組を少し変える
だけでこの形態を作り上げることができる。もちろん斜面にも適用できる。
・間取り
2世帯の問題点である、父・母・子と祖父母の生活リズムの違いについては、祖父母の部屋と父母
の部屋と子供の部屋の間にLDKを置く平屋タイプにすることで解消した。2世帯住宅の一例を
挙げると、1階LDK、水まわり、祖父母の部屋で2階が父母子の部屋といったような形である。
父母子の部屋が2階にあると、祖父母の就寝中の2階からの音が不快に感じられる。それを防ぐため
にも平屋建てにした。またLDKをはさまず、片方に寄せた場合、必要以上にそれぞれの部屋の前を
行き来しなくてはならなくなる。その騒がしさを緩和させるためにも共同スペースを間に配置し、
部屋を離すことで生活リズムが交錯しないようにした。中は分離していても、一直線に繋がる縁側
によって住宅に一体感が感じられる。和室は祖父母の寝室で応接室にもなり、雪見窓から和室庭園
がみえる。祖父母の部屋の横にはトイレなどの水まわりがある。今はよくても将来を考えて、
祖父母の部屋に近いほうが便利がよいと考えた。LDKは上を見上げれば木の軸組が見え、南面には
木の格子が広がり、木の美しさ、温かさを家族全員で感じることができる。
・設備計画【建物配置計画】
建物を東西軸に伸びた形にすることで空調エネルギーの消費を軽減。全ての部屋が南面から光を
取り入れる。また、段々屋根の天窓からも光を取り入れ部屋を明るくする。南面の庭に落葉樹を
植えることによって、夏季は直射を遮り、冬季は光を取り込み、比較的温和な気候な佐賀だがより快適に過ごすことができる。また、佐賀の夏季の主風向は南であるため、全ての部屋が開口から
風を取り入れ夏場の冷房費削減にもつながる。特に設備システムなどを取り入れずに、日射や風向
に配慮した建築配置によってエネルギー消費量を効果的に削減する。
木材【スギ】
木材はスギを使用する。スギは佐賀県で樹種面積1番である。「自然の保全→気を伐採しては
いけない」と思っている人が多い。しかし間伐を行わない森林では樹木の成長がにぶくなり、結局
森林を死なせてしまい、悪循環を引き起こしてしまう。「自分たちの地域の森林は自分たちで
守る」一番身近であるスギを軸組だけでなく格子などの建材や仕上げ材に使用することで、木の
美しさを引き出し、健全な森林を保っていく。